栃木京福会

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活動報告

2026.04.29

第54回 だいじだねット会議 ~那須塩原市の地域包括支援センターあぐり~

令和8年3月31日、だいじだねット会議を開催しました。
年度末のお忙しい時期にもかかわらず、多くの皆さまにご参加いただきありがとうございました。
だいじだねット会議は、「誰もが一緒に、自分のことだと思って考えれば大丈夫だね」を合言葉に、地域のさまざまな立場の方が集まり、支援の現場で起きている“もやもや”や“困りごと”を持ち寄って考える場です。会議では、参加者同士がお互いを否定せず、各機関の事情も想像しながら対話することを大切にしています。また、事例は個人が特定されない形で共有し、会議外で話題にしないなど、守秘にも配慮して進めています。
自己紹介のあと、テーマの背景説明を共有し、テーブルごとにグループ討議を実施。最後に各グループから学びや気づきを発表し合いました。
事例は、障害福祉サービス(ヘルパー等)を利用している64歳のAさんが、65歳を迎える前に「介護保険の申請を」と案内され、「誕生日を迎えるだけで生活は変わらないのに、これまで通り支援を受けられるのか」と不安になる—という場面から考えました。
•原則として、介護保険で利用できるサービスがある場合は「介護保険が優先」と整理されています。
•一方で国の通知では、65歳だからといって介護保険サービスを一律に優先させるのではなく、本人の生活状況・困りごと・利用意向を踏まえて個別に判断することが示されています。
•現場では、説明や判断の材料として介護保険の認定結果が求められやすく、「障害福祉を継続するために非該当を確認する申請」が運用として生まれやすい—という悩ましさがあります。
また、同行援護など介護保険にないサービスは65歳以降も障害福祉で利用できる一方、ヘルパー・デイサービス等の共通サービスは介護保険が優先となりやすいこと、そして自己負担(原則1割等)など費用面の変化がご本人の納得に大きく影響することも共有されました。
グループ討議では以下のような意見が出ました
  • •「昨日と今日で何が変わるのか」—本人の体調や生活が急に変わるわけではない一方、介護保険証の到着や保険料の納付など“手続き面の変化”が実感として大きい。 •認定調査の見え方の違い—障害福祉の調査は「できない時も想定」する基準、介護保険の調査は「日頃できているか」を見る傾向があり、本人が“試されている”と感じやすいのでは、という声。

  • •費用負担への不安—これまで負担が少なかった(または無かった)のに、介護保険へ移行すると自己負担が発生し「なぜ?」となりやすい。説明には丁寧さと時間が必要。 •支援者・事業所が変わる不安—介護保険に対応していない事業所の場合、変更が必要になり、関係性が切り替わること自体が負担になる。

  • •早めの見通し共有の重要性—直前ではなく、60代の早い段階から「65歳で起こり得ること」を伝え、準備できると安心につながる。 •顔の見える連携と学び—遭遇頻度が高くないテーマだからこそ、多職種で基礎を学び合える勉強会や相談先(基幹相談支援センター等)の周知が役立つ。

  • 65歳という制度上の節目は、本人の暮らしの連続性と、制度・手続きの区切りがずれやすいタイミングでもあります。今回の会議では、「制度の正しさ」を決めるのではなく、本人の不安や周囲の説明の難しさ、事業所変更や費用負担といった“現場で起きること”を共有し、少しでも納得感のあるプロセスをどう作るかを考える時間になりました。

  • ご参加いただいた皆さま、発表にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。だいじだねット会議は今後も、こわくない(=無理をしない)範囲で、地域のつながりと学びを育てていきます。次回もぜひお気軽にご参加ください。