栃木京福会

ブログ

活動報告

2026.07.22

第56回 だいじだねット会議 ~那須塩原市の地域包括支援センターあぐり~

令和8年5月26日、第57回だいじだねット会議を開催しました。
お忙しい中、たくさんの方にご参加いただきありがとうございました。

今回のテーマ「ADLピラミッドって何?ADL・QOLって聞くけど何ですか?」
家族の介護をしているAさんの娘さんは、お母さん(Aさん)の様子を担当ケアマネジャーに伝え、介護で困っていることを相談すると、ケアマネジャーから「ADL、QOLが低下している状態です」と説明されました。しかし娘さんにはその言葉の意味がよく分かりませんでした。という事例をもとに話し合いました。

BADL(基本的ADL):立つ・座る・腕を上げるなど
IADL(手段的ADL):料理、買い物、トイレ動作など
AADL(発展的ADL):目的や役割、「何をしたいか」
さらに両側に CADL(コミュニケーション能力) と 認知機能

これらの専門用語を「評価のための記号」・「説明を簡略化するためのラベル」として捉えるだけではなく、「人の生き方」として捉え、これらの構造が互いに影響し合いながら、その人の生活を形づくっているという視点で意見交換を行いました。


グループワーク①「楽しみにしていること」
最初のワークは、直近の「楽しみ」をみなさんと共有していただきました。そのうえで、その「楽しみ」を実際に行うために必要な身体機能へと置き換えて考えてもらいました。

小説執筆のための早寝早起き
ロッククライミングのための筋トレ
子どものバスケ大会に向けた体力づくり(道具を運んだりするそうです)
卓球大会のための練習
家族との旅行に向けた体調管理

どれも「目的 → 手段 → 基本動作」が自然につながっていて、「楽しみは介護予防の重要な要素」であると共有されました。
目的があるから人は動く。その言葉に、みなさんが深くうなずいていました。

グループワーク②「介護予防とリハビリの違い」
各テーブルで出た意見はとても多様でしたが、共通していたのは
“予防は維持、リハビリは回復” という視点。
  • 若年期は健康づくり 中年期はフレイル予防 高齢期は介護予防 食が細くなる → 活動量が落ちる 配偶者の死別後の孤立感 認知機能の低下兆候 生活リズムの乱れ

  • 「できなくなった瞬間」に気づくことの大切さ リハビリの語源 re+habilitation(再び生活に戻す) 介護予防は生涯続く取り組みであり、モチベーションが鍵になります。

  • グループワーク③「苦しみとは何か」 ある先生の言葉として紹介されたのが、「〇〇 と 〇〇 が開いた状態が苦しみ」 参加者からは、 「希望」と「現実」、「やりたいこと」と「できること」、「期待」と「裏切り」 「過去の自分」と「今の自分」など、さまざまな“距離”が挙げられました。

  • これらのグループワークから、「言葉の解像度が上がると支援の質が変わる」ということを参加者は自分自身の経験と重ねながら深く考え、振り返ることができました。 今回の会議は、介護の専門職だけでなく、地域で暮らす誰にとっても大切な学びが詰まっていました。「自分のこととして考える」場の力を、改めて感じた時間でした。

  • 次の回では、「セルフネグレクトについて」というテーマで、「生きる目的(AADL)」を失ったとき、地域はどう伴走するかについて報告いたします。