栃木京福会

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活動報告

2026.07.30

第57回 だいじだねット会議 ~那須塩原市の地域包括支援センターあぐり~

令和8年6月23日、誰もが我が事として考える「だいじだねット会議」を開催しました!当日は、地域包括支援センターの職員をはじめ、社会福祉協議会、民生委員、行政職員、ケアマネジャー、専門職など、地域の支え合いに関わる多くの方々にお集まりいただきました。

「だいじだねット会議」のコンセプト
本会議では、参加者全員が安心して深い対話ができるよう、最初につぎのような大切なグランドルールを共有しています。
誰もが、一緒に、自分のことだと思って考えれば、大丈夫だ ね!
(地域の課題を他人事ではなく、自分自身の生活に置き換えて思考する) 栃木県の方言の「怖い(疲れた)」を踏まえ、“怖くない範囲(疲れない、緊張や萎縮をしない)”で、笑顔で意見を出し合う。
お互いの価値観を否定せず、相手を追い詰めず、行政任せにしないで「自分たちに今何ができるか」を主役になって考える。
この温かい空気のなかで、多職種による非常に深いディスカッションが行われました。

今回のテーマ:「生きる目的(AADL)」を失ったとき、地域はどう伴走するか
今回の会議は、人間の生活機能をピラミッド構造で捉える連続シリーズの第二幕です。
日常生活動作の最上位に位置する「A=アドバンス(どう生きたいか、何をしたいかという目的)」にスポットを当てました。
事例として取り上げたのは、最愛の家族に先立たれて一人暮らしになり、周囲との交流が途絶えてセルフネグレクト(自己放任)の状態が心配される高齢者のケースです。 セルフネグレクトは本人の拒絶の壁が厚く、外部からの介入や見守りのタイミングが非常に難しい独特の課題です。現場の支援者からも、「安全のために環境調整をすすめたいけれど拒否されて悩む」「本人の諦めと、家族の『元気でいてほしい』という願いの板挟みになる」といった、日々のリアルな葛藤が次々と語られました。

各グループでの素晴らしい気づきと視点
多職種が集まるグループワークからは、今後の地域ケアのヒントとなる視点がたくさん飛び出しました。
「温かい無関心」という絶妙な距離感
無理に関わりを押し付けるのではなく、本人の自由を最大限尊重しながら、困ったときにはいつでもそっと手を差し伸べられるよう、背景から温かく見守る距離感の重要性。

「〇〇したい」という欲求は本人の中から湧き出るもの
周囲がいくら「運動しよう」と言っても拒絶していた高齢の方が、「曾孫と遊びたい!」という自分自身の目的を見つけた瞬間、自ら喜んでサービスを利用し、生き生きと活動的になった事例などが共有され、支援は「本人の動機」に紐付けるべきであると確認されました。
  • 拒絶の裏にある歴史を知る 頑なな拒絶やセルフネグレクトの背景には、必ずその人が歩んできた歴史や理由があります。表面的な行動だけで分類せず、「その理由を知ろうとし続ける姿勢」こそが、関係性を構築する鍵になります。

  • どれほど「ほっといてくれ」と言われても、地域の専門職としてはやっぱり「ほっとけない」。これが対人援助の原点であり、地域包括ケアを支えるエネルギーなのだと、改めて参加者全体の思いが一つになりました。

  • 次回(7月28日)に向けて:『尊厳』は自分一人では守れない 会議の最後には、視点をガラッと変えて「もし将来、自分が同じような状況になったらどう備えるか?」という自分事としての人生会議(ACP)にも触れ、多角的な視点で幕を閉じました。

  • 今回のディスカッションを経て、私たちが辿り着いたひとつのメッセージがあります。「尊厳とは、自分一人では守れないものである。他者から蔑ろにされた時に初めて脅かされるものであり、周囲が守ることによって初めて成立する(守ってもらうものである)」 自分を大切にできなくなってしまった状況に対し、私たち地域や支援者がどのように関わり、その人の「尊厳」を守っていけるのか。

  • 来月、7月28日(火)に開催される三部作の最終回では、この言葉を軸に据えて、さらに具体的に「伴走型支援のあり方」についてみなさんと考えていきたいと思います。   ご参加いただいた多職種・地域のみなさま、本当にありがとうございました! また来月もよろしくお願いいたします。