栃木京福会

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活動報告

2025.07.17

第45回 だいじだねット会議 ~那須塩原市の地域包括支援センターあぐり~

令和7年6月24日(火)に「運転免許返納後の移動手段について~福祉用具レンタル~」というテーマで、免許返納後の移動手段について話し合いと、シニアカー等の試乗をしました。今回もたくさんの方にご出席いただき、誠にありがとうございました。

運転免許の返納・・・それは一つの節目ですが、その後の生活には多くの変化が生まれます。
先日、地域包括支援センターにあるご高齢の利用者が「移動の手段がなくて困っています」と相談に来られました。一人暮らしで、車の運転をやめてからというもの、外出する機会が減り、足腰も弱ってきたようです。タクシーやバスを使うにも、料金の不安からなかなか踏み出せず、ますます家に閉じこもる日々が続いていました。
この話をきっかけに、私たちは「シニアカー」という移動手段に注目しました。シニアカーは、免許不要で利用できる電動の乗り物です。歩行者扱いなので歩道を走ることができます。でも、「本当に自由に動けるの?」という疑問は、当然あると思います。
実際に皆さんと、正誤クイズを交えながら学んでみました。
たとえば――
・セニアカーは免許がなくても乗れます。ただし操作方法を理解し、練習は必要です。
・歩道を走行する決まりがありますが、歩道が狭かったり段差が多かったりすると走りにくいこともあります。
・踏切の通行は可能ですが、安全確認は必須です。
・介護保険を使えばレンタルも可能ですが、誰でも借りられるわけではなく、一定の条件があります。
実際に使ってみたいと思っても、いざ使うとなると不安を感じる人も少なくありません。雨の日や雪の日、バッテリー切れや転倒のときどうするか――心配になるのは当然ですよね。

グループワークでは「運転免許返納後、移動ができなくなると何が起きるのか?」「シニアカーがあれば自由に動けるのか?」をテーマに、多くの意見が飛び交いました。
  • 狭い歩道や段差、舗装の状態が悪い場所では使いづらい。中古のシニアカーでは整備が不安だし、商業施設内などは事前確認が必要。実際に使うには、住んでいる地域の特性にも左右される――そんな現実的な視点も出てきました。
    それでも、少しの移動でも外に出られるようになれば、生活はガラッと変わります。買い物や通院だけでなく、趣味や友人との交流も広がる。

  • 気分が明るくなり、笑顔の時間が増えていく――そんな可能性に心が動きます。
    もちろん、費用の面も気になるところです。3年間で比較すると…

  • •レンタル:約82,800円(介護保険適用で月2,000円〜2,500円程度、1割負担を想定)
    •リース:約324,000円(契約期間に注意)
    •購入:約540,000円+定期点検・保険の更新・バッテリー交換などの維持費
    最も柔軟で経済的なのは、やはりレンタルでした。季節ごとの借り直しもでき、負担を軽減できます。

  • 運転免許を手放すことは、一つの勇気ある決断です。でも、それで終わりではありません。その後の生活をどう支えていくか。移動手段があれば、自分らしさを取り戻すこともできる。シニアカーは、その第一歩を支える手段かもしれません。
    話合いの後、株式会社セリオの福祉用具相談員の小原澤様より、説明をおこなっていただき、公民館の駐車場で実際にシニアカーや三輪車・四輪車の試乗を行いました。

  • 次回開催の令和7年7月22日(火)は「支援を拒む方への支援はどうしたらよいでしょうか?」というテーマで、私たち支援者や地域の人ができることは何なのか、どこにどのように相談をしたらよいのか、話し合ってみたいと思います。
    皆さまのご参加をお待ちしております(^^♪


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