栃木京福会

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2025.09.10

第47回 だいじだねット会議 ~那須塩原市の地域包括支援センターあぐり~ 令和7年8月 だいじだねット会議レポート

テーマ:「良かれと思って言った一言」
8月の「だいじだねット会議」では、少しユニークなテーマを取り上げました。
それは「良かれと思って言った一言」。
介護や地域での支援の場面では、相手を思ってかけた言葉が、思わぬ誤解や不快感につながることがあります。今回の会議では、そんな“ちょっとした失言”を持ち寄って、笑いながら振り返り、次につなげる時間となりました。

■ どんな「失言」があるの?
会議ではまず、ありがちな失言を6つのパターンに分けて整理しました。
地雷型:家族や病歴など、触れてほしくないことにうっかり触れてしまう
思い込み型:見た目で「男の子ですね」と言ったら女の子だった、など
デリカシー不足型:事実だけど言うタイミングが悪く、場がしらける
情報漏れ型:本人の前で失禁や認知症のことを話してしまう
上から目線型:助言のつもりが命令口調に聞こえてしまう
同情型:「かわいそう」と繰り返してしまう
どれも悪気はないのに、相手を傷つけてしまう可能性があります。

■ 会議で出た実例
参加者からは実際の体験が紹介されました。会議中に本人の前で「失禁が目立つ」と口にしてしまい、ご家族から注意された。仲の良さそうな来訪者に「ご夫婦ですか?」と声をかけたら「兄妹です」と返された。介護をしている息子さんに「下着交換できていますか?」と尋ねたら、指導されたように受け取られてしまった。本人にとっては大事なものを支援者が「ゴミ」と言ってしまい、不信感につながった。「誰にでもありそう」「自分も気をつけないと」と共感の声が多く聞かれました。
  • ■ どうすれば防げる?
    グループで意見を出し合った結果、次のような工夫が挙がりました。
    初対面では天気や体調など、あたりさわりのない話題から始める。相手が自分から話したことをきっかけに話を広げる。メールやLINEでは絵文字を適度に使って柔らかさを出す。「言いたくないことは言わなくても大丈夫」と事前に伝える。小さな心配りが“失言予防”につながることを確認しました。

  • ■ もし失言してしまったら…誰にでもうっかり失言はあるものです。そんな時は、
    すぐに認めて謝る
    正しい言葉に直す
    相手に確認して会話を続ける
    など、誠意を持って対応することが大切だと話し合いました。

  • ■ おわりに
    今回の会議は、笑いあり・反省ありの時間でした。
    “過去の失言を笑ってお焚き上げし、未来に活かす”──これが今回の会議の大きな目的です。

  • 失言をゼロにすることは難しいですが、気づきや工夫を重ねることで「次はもっと良い関わり方」ができるはず。そんな前向きな気持ちを、参加者全員で共有することができました。
    ちなみに、会議そのものでは新たな失言は出ませんでした。
    「失言を語っている最中に、また失言してしまった」なんてオチにならなくて本当に良かったです(笑)。

  • ■ 次回のテーマ
    来月は「介護ベッドのレンタルと例外給付」について取り上げます。
    「要介護でないと借りられないの?」といった住民の疑問をもとに、制度や自費での利用方法について情報を共有する予定です。
    地域の皆さんと一緒に、安心して暮らせる関係づくりを進めていきたいと思います。


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