栃木京福会

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活動報告

2026.01.16

第51回 だいじだねット会議 ~那須塩原市の地域包括支援センターあぐり~

令和7年12月23日、だいじだねット会議を開催しました。
今回は「65歳のMCI(軽度認知障害)の女性」という事例を題材に、共生社会と年齢区分のあり方について、参加者の皆さんと考えました。

1.アルツハイマー病とMCIの現状
アルツハイマー型認知症は、症状が表面化するより10〜20年以上前から脳の萎縮が進むと言われています。
この女性は65歳、日常生活は問題なく、運転も可能。作品づくりを楽しみながら自宅で生活していますが、物忘れが増えてきたことで将来への不安が出てきている・・・そんな状態です。
「高齢者の集まり」に抵抗を感じ、参加に迷いがある。この気持ちは決して珍しいものではないと感じます。

2.共生社会と「年齢の線引き」
今回の会議で印象的だったのは、支援は必要なのに、年齢の壁で利用できないことがあるという現場の声でした。
・50代要介護者は紙おむつ券が使えなかった
・障害があっても65歳以上で高齢者のみの世帯でないと市の配食サービスが使えない
・65歳で介護保険証が届き、制度的に「高齢者」になる節目を感じる。
法律や制度を運用する上で年齢区分は必要な側面があります。しかし現場ではその「狭間」に困っている人が存在し、柔軟さを求める声も多いのが現実です。
  • 3.「世代を基準に語ること」の難しさ
    ・団塊世代、Z世代…と括ることが軋轢を生むことも
    ・運転免許更新や認知機能検査は典型的な年齢基準
    ・就労年齢が上がり、「高齢=引退」という価値観が変化中
    若者も、高齢者も、ひとくくりに語れない時代。
    年齢ではなく、その人の生活・状態・役割に目を向けることが求められています。

  • 4.「65歳のMCI女性」にできる支援を考えた
    後半は、事例への具体的支援策・アイデアをディスカッションしました。
    ・得意の作品づくりを活かし「参加者」ではなく「役割の持ち手」として関われる場に
    ・認知症カフェ(笑温カフェ)など、初回は同行や紹介者の存在が安心につながる
    ・ボランティアや講師として関わることで社会参加の循環が生まれる
    ・マルシェサロン地域コミュニティなど制度外資源も活用

  • ・医療との連携は早期から。家族が状態を共有できる仕組みがあると良い
    ・レカネマブ等の治療はMCI段階での判断が重要
    印象的だったのは、「支援される人」ではなく「活躍できる人」として関わるという視点でした。
    誰かの役に立てると感じられることは、自己肯定感と生きがいにつながります。

  • 5.終わりに
    年齢によって区分される制度は避けられません。ただ、地域のつながりや通いの場、役割の創出によって、その線の外側に支援が広がることもあります。
    「あなたなら、この方にどんな関わりができそうですか?」
    読んでくださった方にも、ぜひ少しだけ想像していただけたら嬉しいです。
    小さな視点の共有が、地域を少しずつ優しい形に変えていくのだと思っています。

  • 次回開催は令和8年1月27日(火)「災害時、あなたの“だいじなねット”は誰?」
    “つながり”を“防災力”に変えるために、今できることをテーマに取り上げます。
    ぜひ多くの皆さまのご参加をお待ちしております(^^♪


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